砂漠の音階
砂漠の音階の取材旅行の記録です
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ぼくらが旅に出る理由
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今回のモデルとなった雪氷学者、中谷宇吉郎さんの
足跡を追って、北海道まで、取材旅行に行ってきました。
行ってなにがわかるのかさえわからないまま機上のひとと
なり、一路千歳。
15歳のとき、修学旅行で訪れて以来の北海道へ。
出発です。

最初にして最大の山場
今回の最大の目的は、北海道大学理学部に
保存されているという、
中谷先生の研究室を拝見することでした。
理学部は、北大でいちぱん古い鉄筋造りの建物とのこと。
いまはその大部分が北海道大学博物館となっています。
いろいろ大学の構内というのは入ったことがありますが
北大は、なにか自由な風がビューピューと吹いているかの
ような、開放的な雰囲気に満ちていました。
敷地が広大。そして、まっすぐ。
ああ。これが北海道なんだ。
そんなかんじの大学です。
これが、その理学部の建物。

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ひっそりと
学芸員の女性にお願いすると、
暗い廊下を通って中谷先生の研究室に連れて行って
くれました。
ふだんは鍵がかかっていて、
希望者がいたときだけあけてくれるのだそう。
これはその研究室への扉。
ドキドキしました。

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うつくしい場所
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その研究室を見たときに、
ああ、ここを舞台して書くのだ、とハッキリと決まりました。
研究室、そして、人工の雪の結晶ができた
そのいちにちの話。
そんなこと可能なのかしら・・・と、
書きながら、書きながら逡巡していましたが、
このうつくしい研究室、
そしてそれが復元されるほど敬愛された研究者。
これはもう覚悟をせねば・・・と思ったのです。
写真は覚悟の割になんだかやけにうれしそうなわたし。
これは困ったぞう、と思いながらも、
ここからはじまる物語の予感がうれしくて。

舞台装置は、この研究室の写真の印象をもとに
舞台美術家が、
しかし、限りなく抽象的な、
うつしくい美術をつくってくれます。
そちらもどうぞおたのしみに。
アインシュタインドーム
理学部の階段を登っていくと、
そこにはうつくしい白いドームがありました。
アインシュタインドーム、というのだそうです。
ここで撮った中谷先生の写真も残っています。
去年は建築の話を書いたっけ。
実は、アインシュタイン博士、
ひっそりとそのふたつの物語をつないでいます。
わたしたちに20世紀をプレゼントしてくれたその天才は、
今回もその後姿、見せてくれます。
カチリ。
時間と時間。
物語と物語が、リンクしました。

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